stantonharukaの日記

春香さん中心に書いています。

MA4星井美希「アプデ」を絶賛する記事

 昨年から始まったMASTER ARTIST4シリーズですが、先日、13人のアイドル全員の曲が出揃いました。全員分のNew Me, Continuedや小鳥さんの新曲も聴きたいので、アンコールも期待しています。

 今回はMA3以来約5年振りのソロ新曲シリーズとなりましたが、春香さんのI'm yoursを含め、どのアイドルの曲も、持ち味が出ていて素敵だったと思うのですが、私は星井美希の新曲「アプデ」にドハマりました。

 

 2月に発売されたときに一応聴いたのですが、最近、改めて聴いたところ「なんだこれは!?」と驚いたくらい、物凄く好きになりました。今では、全アイマス曲のなかでも指折りのお気に入り曲です。

 

 今回の記事では私の主観を強めにして、歌詞・曲の双方からMA4星井美希「アプデ」のどこにハマったのかを書きます。

 なお悲しいことに、三浦さんがゲスト出演されたMoRを聴けていないので、もしかするとご本人がすでに語っていることと相違があるかもしれません。その点だけご容赦いただけますと幸いです。

 

アプデ

アプデ

 

「アプデ」

作詞・作曲・編曲:三浦誠司さん

 ※「アプデ」の作詞・作曲・編曲が全て三浦誠司さんであることを念頭に置いていただけるとこの記事をより楽しんでいただけると思います。

 

1.全て自分目線で構成された歌詞

 歌詞カードがお手元にある方はぜひ見てほしいのですが、「アプデ」の歌詞には、ある特殊性があります。

 それは、恋愛相手のことや、恋愛相手に対する行動が一切書かれておらず、全て自分目線の描写によって歌が展開されている点です。

 どういうことでしょうか。同じ可愛い系の恋愛曲である、「ふるふるフューチャー☆」「ショッキングな彼」の歌詞と比較してお話をします。

 

ふるふるフューチャー☆

二人きり 逃避行しよう

ジェット機 チャーター

無人島 バカンス 簡単にできちゃうの

 

——「ふるふるフューチャー☆」作詞:朝日祭さん

 

ショッキングな彼

 部屋でゴロゴロも良いけどツマンナイ

「どこか連れてって!」

「けど…どこもカップルばっかで大変…」

それじゃ愛情不足なの!

 

——「ショッキングな彼」作詞:NBGI(mft)さん

 

 このように、2曲の歌詞は

・「相手に何をして欲しいのか」

・「相手はどんな人なのか」

 を中心に展開していきます。もちろん、アイマス以外の恋愛曲も基本的にこういった構造だと思います。

 

 一方、「アプデ」の歌詞を見てみます。

 

アプデ

―アプデ!―

スキスキのプログラム ハートにインストール

―アプデ―

キラキラの笑顔は自分史上に最高級

 

——「アプデ」作詞:三浦誠司さん

 

 このように、「自分がどうなっているのか」の描写だけで歌が展開していて、「相手に何をして欲しいのか」「相手はどんな人なのか」といった描写を追いやっています。

 もっといえば、「君」「あなた」「彼」といった二人称・三人称も「アプデ」には無く、全てキラキラな「ワタシ」の物語で構成されています。

 

恋愛をテーマにした楽曲はたくさんありますが、「アプデ」に関しては、「キラキラの笑顔は自分史上に最高級」、「ポジティブ一色に染めちゃおっか」というように、あくまで自分目線の描写によって歌が展開されています。これによって、恋愛のプリミティブな魅力・価値に気づかせてくれる素敵な楽曲に仕上がっています。

 ほかにも、アプリケーションのアップデートに絡めたそもそものコンセプトや、「ひょっとしてバグ/上昇心拍」「クレーム交錯/そういう口角」などの細部の韻の踏み方など、様々な場面で歌詞のクオリティの高さを感じます。

 歌については、秋月律子役の若林直美さんが発売記念生放送で「楽しいだけで聴ける曲って感じ」と仰っていますが、この歌詞構成も「かわいいし楽しい」を演出している要因なのではないでしょうか。

 星井美希役の長谷川明子さんは、発売記念生放送で「恋をしているウキウキ感とか、可愛い感じ、テンション上がってる感じを出すように録りなおしたところがあった」と仰っています。最高の歌詞を最高の歌で表現してくださった長谷川さんも素晴らしいと思いました。

 

2.現代にマッチしたディスコミュージック

 三浦さんがご自身で仰っているように、この曲のジャンルはディスコミュージックです。

 私はディスコミュージックが大好きなのですが、具体的なジャンルの定義を述べるのは難しいので、まずは"こんな感じ"という例をいくつか出してみます。

 

古典的名作ですとこんな感じです。


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新しめの日本の曲でしたらこんな感じです。


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 ディスコミュージックについては、だいたいBPM100-110くらいで、「ドン、ドン、ドン、ドン」という4つ打ちのリズムをバックにした楽曲という説明がなされることがあるのですが、上記の例はそんな感じではないでしょうか。

 私はこのリズムや音を聴くと心地よくなり、体が自然と揺れるくらい楽しくなるのですが、「アプデ」では、ディスコミュージックをより現代的にする工夫がいくつかなされています。

 

・テンポを速くする

 正式なBPMはわかりかねますが、手動で測ってみたところ、BPMは約132でした。先述の曲たちよりも早いテンポです。

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参考:

・Stayin Alive       BPM104

・Dancing Queen BPM101

・Unbalance Love  BPM110

 

・他の楽器の音色をキャッチーに混ぜこむ

 また、この楽曲を語るうえで欠かせないのは編曲です。ストリングス+ギターの構成は前述の例と同じ王道なものなのですが、さらにシンセサイザーが使われています。

 (若林さんが発売記念放送で「ぽにょぽにょってやつが好き」と仰っていたような音色です。)

 音色を様々組み合わせることで、明るくてポップなディスコミュージックに仕上がっています。

 

 さて、J-POPでもディスコミュージックのエッセンスをもとに「テンポを速く」して「他の楽器の音色をキャッチーに混ぜこむ」ことで、ポップソングに仕上げている例があります。

星野源さんの「恋」です。


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 よく聴くと、四つ打ちのリズム・ストリングス+ギターというディスコミュージックの王道の組み合わせがあり、かつBPMを158まで上げたうえで、二胡の音色を混ぜているという特徴があります。

 ディスコミュージックをベースにしながらも、こうした特徴を兼ね備えてポップソングとして総合的なクオリティが上がったことも、「恋」が広くヒットした理由の一つではないかと思います。

 

 余談ですが、他のアイマス楽曲でも「テンポを速くして」「他の楽器の音色をキャッチーに混ぜこむ」ことで人気の高いポップソングに仕上げた例があります。

 

アマテラスです。(作詞・作曲・編曲:BNSI(渡辺量)さん)

 


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 アマテラスはBPM133ですし、エレクトリックピアノの音色をイントロからふんだんに使っています。客観的な指標はないですが「アマテラスは765の指折りの人気曲」と言われて、異論がある方はきっと少ないでしょう。

 「アプデ」も、現代のディスコミュージックのこうしたトレンドにうまく沿った楽曲になっているので、聴けば聴くほど「現代風」なお洒落楽曲だと感じました。

 

 なお曲の部分でいえば、Aメロ・間奏のGM7→Gmの流れでぐっとお洒落度をあげている点も付け加えておきます。個人的にハマったポイントです。

 

3.結論:三浦誠司さんは凄い

 星井美希長谷川明子さんによるライブでの披露も今から楽しみですし、待ちきれません。最初にお伝えしたように、作詞、作曲、編曲を三浦誠司さんお一人でやられています。実績がある方とはいえ、この完成度の高い楽曲をお一人で作られたとは驚きました。こんなに素敵な楽曲を作ってくださった三浦誠司さん、これから推します。

 この記事によって、「アプデ」の魅力が少しでも伝わっていましたら幸いです。