stantonharukaの日記

春香さん中心に書いています。

天海春香学会Vol.2の感想(イラスト)

かん(天・∀・海)そう

 

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そにっぴーさんと私が主催をしている「天海春香学会Vol.2」の出版から2週間が経ちました。

 

主催なので「売れ行き」はわかるのですが(ちなみにめちゃくちゃ好評で完売しました。ありがとうございます。早い段階で増刷考えないといけなくてびっくりしました)、学会誌の「評判」は気になります。

それで、ツイッターで「学会」「春香学会」「作品」みたいな検索をして作品や学会誌全体の評判を見つけてはひたすらRTをしています。

 

そんななか、参加者のお一人が書かれたある記事を見つけました。

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そして、イラストの感想についてのこの記述を見ました。「確かになあ」と思いました。

イラストを描かない私にとって、イラストを評価するのって確かに難しいのですよね。見たまんまをそのまま言うと「かわいい」が基本ですし、どうかわいいのかを力説しようとすれば説明的になってしまいます。

しかし、感想を見ようとして「ありません」「割愛」と言われたらたまったものではないでしょう。そこで、今回はVol.2のイラストについて、いち主催かつ参加者の立場として思い出や感想を書きます。

 

1.順番について

まずはイラストの順番についての意図を説明します。そもそも学会誌はイラストの部と文章の部で構成されていて、Vol.1もVol.2も、イラストはイラスト、文章は文章でまとまっています。

実はVol.1のときには、ライトノベルの挿絵のようにイラストと文章とをバラバラに配置しようとも考えていました。しかし、バラバラに配置をした場合、文章のファイルとイラストのファイルとを統合したり、ページ数の割り振りをしたりする際に難儀してしまうのでやめたという経緯があります。そのため、イラストを前半で固めているのです。

 

では、イラストの部のなかで、どのように順番を決めていったのでしょうか。

寄稿いただいたイラストを効果的に掲載して、魅力的な本にするためには順番決めが大切です。考慮した点は、以下の通りです。

①左右の掲載希望に沿うこと

②ななみんさんのイラストを最初に、らすぼすさんのイラストを最後に置くこと

③似たコンセプトのイラストはなるべく近くに置くこと

 

①左右の掲載希望に沿うこと

今回は、イラスト参加者の方から左右の掲載希望をお伺いしていました。

4名の方が左右のどちらかを選択されていたので、それに沿うように配置いたしました。

 

②ななみんさんのイラストを最初に、らすぼすさんのイラストを最後に置くこと

前回と今回の表紙を見るとお分かりいただける通り、Vol.2の隠れテーマ?が「夏」です。

ななみんさんのイラストが水着の春香さんだったので、そのテーマからイラストを始めたかったのです。また、らすぼすさんのイラストには「行ってきます」というセリフがついていて、イラストの部の〆、そして文章の部への以降を果たすのにピッタリのイラストだと考え、トリにさせていただきました。また、らすぼすさんのイラストへの流れを作るためにミワのいぢさんのイラスト、鬼ヶ島もやこさんのイラストを直前に配置させていただきました。なんとなくストーリーのようなものができたのではないでしょうか。

 

③似たコンセプトのイラストはなるべく近くに置くこと

文章の部でもそうなのですが、今回の掲載順の特徴として「似たコンセプトのものが比較的近くにある」ことが挙げられます。イラストでも、例えば8ページ目・9ページ目を開いたときに眠るナマモノさんのイラストと、せきぐちさんのイラストとがどことなく対構造の立ち位置になっていたり、夏井わたさんのイラストと薫る風さんのイラストとで冬服が続いたりというのを、意図的に行なっています。

 

上記の点を考慮した結果、以下のようになりました。

 

1.ななみんさん

2.ペペロンチーノさん

3.眠るナマモノさん

4.せきぐちさん

5.春海さん

6.amaguriPさん

7.落ソヤさん

8.白黒Pさん

9.あるたそさん

10.夏井わたさん

11.薫る風さん

12.ミワのいぢさん

13.鬼ヶ島もやこさん

14.らすぼすさん

 

2.イラスト雑感

天海春香学会は本文が全部モノクロになっています。当初、イラストはカラーで募集しようとも考えていたのですが、本文にカラーとモノクロとを混在させるのが印刷所側・こちら側の技術的側面から難しく、全てカラーにしてしまうと印刷費だけで月給が飛びかねません。そのため、モノクロのイラストを募集しているのですが、モノクロならではの手法を使ったり、テイストを活かしたりしたイラストが多いと感じました。いち主催としては嬉しい限りです。

また全般の感想なのですが、このような合同誌に作品を提出する際、イラストで参加される方は「好きな構図、シチュ」で描く一方で、文章で参加される方は「得意分野」で書く印象があります。私は文章を書くとき、「はるるるる!」という好きな文体に比べて真面目風な文体に寄った方が筆が進みますし、締め切りで有名な某Kさんも、当初の文章では締め切りに間に合わず、ご自身の知識がある分野を題材にして書いてらっしゃいました。好き=得意の方と好き≠得意の方とがいらっしゃるでしょうし、実際どうなんでしょうか。イラスト参加者の方にインタビューする機会があればお伺いさせていただきたいです。

 

3.感想

お待たせいたしました。感想です。

 

1.ななみんさん

びっくりはるるん。口を「いー」のように開けてびっくりする春香さんは無印〜2グラ春香さんの真骨頂といっても良いのではないでしょうか。

それから、着ている水着にも注目したいです。柄を拝見した限り恐らくグラビアミズギがモチーフだと思うのですが、モノクロでも色の濃淡で水着が映えています。

以前インタビューにて、「のっぺりとしないように」「カラーで見たかったと思わせないように」気をつけて描いていると仰っていたのですが、その技術を活かして描いてらっしゃるのだと思いました。

 

2.ペペロンチーノさん

「春香さん以外のアイドルも描いていいですか」というような問い合わせをいただいて快諾した覚えがあるのですが、イラストを見て納得いたしました。アニマス〜ムビマスのコンテクストを理解しているとより楽しめるのではないでしょうか。

それから、春香さんの髪型の書き方で作者の趣味趣向が判断できるという持論があるのですが、ペペロンチーノさんの描く春香さんはストレート・セミロング系でした。ご参考まで。

 

3.眠るナマモノさん

前回はSSで参加された眠るナマモノさんですが、今回はイラストでご参加いただきました。光に向かって左手を挙げるポーズなのですが、春香さんってジャケ写系でおてて挙げがちではありませんか。影の描き方がモノクロの原稿に映えているのもポイントです。

気になるのが、表情やポーズが抽象的に見える点です。笑っているのか、ドヤ顔をしているのか、はたまた緊張しているのか。どれにも取れますし、違う表情なのかもしれません。そしてこのポーズについては、どんなことをしているのかがわかるものの、どういう状況なのかがわかりません。ひょっとすると、眠るナマモノさんは何かの意図を持ってこのイラストを描いているのではないでしょうか。

 

4.せきぐちさん

かっこ(天・∀・海)いい。

スタピのリアレンジですが、プロレス衣装風のアレンジを初めて見ました。アメコミ立ちみたいでカッコいいですよね。一目見た時、眠るナマモノさんとせきぐちさんのイラストが線対象になっている気がしまして、連続で配置いたしました。

 

5.春海さん

月読は素晴らしいです。なぜなら私が好きだからです。かなり凝った衣装なのですが、鈴だとか袖口だとかをしっかり描かれています。春香さんに目を移すと、手元のハートマークに、ニコッとした口元も可愛らしくてキュートなイラストですよね。

あと、顔が大きめに描かれているのも嬉しいです。なぜなら私は春香さんの顔面が好きだからです。

 

6.amaguriPさん

ご提出いただいた原稿を拝見したとき、「その手かあったか」と思いました。最終的に掲載する向きはB5縦ですが、原稿の向き自体は横でも構わないのですよね。トーンの使い方や線の塗り方からしてコミックの一コマのような構図になっています。衣装はシンフォニーNo.765でしょうか。ドットと相まって効果的な選択になったのではないでしょうか。

 

7.落ソヤさん

ふと(天・∀・海)もも。モノクロだからこそ白さが、春香さんのふとももを強調させてくれます。また、「天海」という名字を持つ彼女から後光が差しているのは、極めて重要な意味を持ちます。膝枕で衆生を救っています。

そして無季自由律俳句です。状況の素晴らしさを端的に表したこの作品こそ、天海春香学会初の俳句作品と考えて良いでしょう。イラストに言葉を入れていただくのは大歓迎なので、Vol.3でイラスト寄稿をご検討されている方はいかがでしょうか。

 

8.白黒Pさん

絶対ほっぺた柔らかいと思います。もちっとした笑顔、いわゆる「はるあかちゃん」みを感じました。ステージへ駆けて行く春香さんと、こちらへ伸びる赤いリボンも印象的です。

衣装は恐らくハッピークッキングタイムのアナザーだと思うのですが、モノクロの合同誌への寄稿イラストとして、魅力を十分に引き出せるこの衣装を選択されるのはなるほど理にかなっているなと思いました。

 

※MA4のジャケ写ではないか?というご意見もいただきました。

 

9.あるたそさん

春香さんおてて挙げがち(PART2)。あるたそさんのイラストだと、元々春香さんが持つ顔・髪型のまんまるみがより強調されている気がいたします。好きな私服をチョイスされたとのことでしたが、この私服(ミリシタの🍰をあげるイラスト)といい、ムビマスの水色ポロシャツといい、意外にも春香さんって青い私服似合いますよね。

 

10.夏井わたさん

イラストの右半分が暗い色で統一されていることによって、左下の吐息の白さが際立っています。運営同士のインタビューでも話したのですが、冬の空気感が伝わってくる繊細なイラストです。冬ならではの、マフラー・袖口のもふもふ具合もいいですよね。

 

11.薫る風さん

(天・∀・海)はるあかちゃん!表情や仕草にあどけなさを感じる、かわいらしい春香さんです。また、描き込み・作り込みがすごいです。Vol.1のイラストも登場しているのですが、気付きましたでしょうか。読むたびに発見がありそうですね。

 

12.ミワのいぢさん

For Your Eyes Only.

Vol.1のインタビューのときに仰っていたアニメからのスクリーン・コラージュですね。それぞれのイラストはもちろん無印コミュがベースになっているのですが、右下2番目のイラストカットに、なんとなく「パーフェクト・ブルー」のオマージュを感じました。深読みしすぎかもしれませんが、もしかすると、他にもオマージュ要素があるのかもしれません。

ここかららすぼすさんのイラストまで、一つのストーリーとして考え掲載しています。

 

13.鬼ヶ島もやこさん

まず目につくのは独特なタッチです。線の使い方や模様などから、私は版画に近い印象を受けました。どのような意図・意匠があるのでしょうか。

そして、皆さんは暗い水の底へ落ちていく春香さんが何を抱えて落ちていくのか、気づきましたでしょうか。それを見る、春香のえも言われぬ表情を照らしています。

 

14.らすぼすさん

「1ページに収まるなら漫画も大丈夫です」と広報を繰り返してよかったです。

らすぼすさんの描く普段の春香さんはまさに「かわいい」が存分に出ていると思うのですが、今回はそこに「かっこいい」も混ざっていて、担当を信じて舞台に送り出すPの気持ちになれる作品になっています。

 

ミワのいぢさん、鬼ヶ島もやこさん、らすぼすさんのイラストを続けて見たときに、どのようなストーリーが浮かぶでしょうか。ぜひお考えください。

 

 

 

イラストの感想は以上です。後日文章の感想もやろうと思います。

インタビュー企画にご参加いただける方や、学会誌奥付のフォームからご感想をお送りいただける方はお待ちしております!

 

おし(天・∀・海)まい